総合歯科診療の意識で
バランスのとれた矯正治療を実施
矯正治療とは、「矯正装置」を使用し、歯に一定の力を加えて人工的に動かし、歯並びや噛み合わせを矯正する治療のことをいいます。矯正という言葉を耳にすると、治療中の見た目の悪さをイメージされる方も多くいらっしゃると思います。しかし、最近の矯正治療では透明な装置を使用する等、見た目も目立たない治療を行えるようになっております。
矯正治療を行ううえで最も重要なことは、「お口全体を診る」ということです。歯並びをキレイにするということは根本的な土台から治すことなのですから、当然と言えるでしょう。しかし、見た目を重視する矯正治療の中には、噛み合わせが考慮されていないケースも稀にあるのです。
当院では、総合歯科診療の理念のもと、バランスのとれた矯正治療を行っています。特にお子様の場合、成長期にあたりますので、顔の表情や骨格にまで影響が出る可能性があります。物をきちんと噛むことが出来ない、上手く発音が出来ないなどの機能的な問題や、顎関節症、肩こり、頭痛など関連症状の併発、さらには、口もとが気になって人前で笑えなくなり暗くなるなど精神的な影響が出る場合もあります。理想の噛み合わせは全身的な健康を得ることにもつながるのです。
矯正治療の流れ
お客様のお口の状態に合わせてプランを立てます。まずは患者様の噛み合わせの状態、顎の状態、歯の状態などを調べるためにレントゲンやお口の型採りなどの検査をさせていただきます。その上で患者様のお口の中の状態に沿ったプランを立て治療にあたります。
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初診・相談
まず、お客様の歯並びを診させて頂きます。この時に悩みやご希望等をお話しください。治療費のこと、支払い方法等、疑問に思った事はご質問ください。
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精密検査・治療計画のご案内
レントゲン、写真撮影、歯型の採取等を行います。精密検査の結果を元に、治療計画の説明を行います。
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矯正装置装着
多くの場合、上下顎ともに治療をしますが、医院や患者様の症状に合わせて、上下どちらかのみに装着するケースもあります。
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動的治療期間
ワイヤーの調整や装置の交換等を定期的に行います。月に一回くらいのペースで通院していただきます。
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保定装置
動的治療が終了すると、リテーナーという保定装置をつけます。並んだ歯が後戻りしないためにも大切です。保定装置を取り付けている期間は3か月~6か月のペースで通院します。
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治療終了
矯正期間が終了したあとも半年に一年位は、メンテナンスにお越しください。定期的な検診により、きれいになった歯並び、噛み合わせを維持しましょう。
小児矯正
小児矯正はなるべく大人の歯を抜かずに歯並びを整える矯正治療です。歯が正常に並ばないのは、顎の萎縮が原因となっている場合があります。放置してしまうと、不正咬合のまま顎が成長してしまうおそれがあります。そうならないよう、早く機能障害の状態を取り除いて、健全な口腔機能を持たせ、顎の正しい育成を図ります。
永久歯のための土台づくりとなる床矯正
(しょうきょうせい)Floor straightening
歯並びや咬み合わせが乱れる原因の1つに顎のサイズが小さいことが挙げられます。子どものうちは歯や骨が柔らかく、可動性があるため、顎のサイズを拡大する床矯正で事前に対策できる可能性があります。
床矯正は、永久歯が生え揃う前のお子さんに対して行われる矯正治療です。取り外し可能な装置を用いて、内側から顎を押し広げていきます。装置の取り付け時間は夜間就寝時だけでよいため、日中は今まで通りに過ごすことができます。
スピード矯正治療について
(コルチコトミー:成人が対象)
一般的に大人になってからの歯の矯正は時間がかかると言われています。スピード矯正は通常の矯正と比べて通院期間を1/2から1/4に短縮することができます。
通院期間が長くなるのは嫌だという方や、歯を削って治すのが嫌な方等、通院期間を短縮したい方にお勧めです。歯を一本も抜かずに審美矯正が可能な場合もあります。
コルチコトミーでは、人間の歯の基盤となる皮質骨とよばれる硬い骨の内側にある海面骨にヒビを入れ、歯が動きやすい条件を作ります。「骨折が回復すると以前よりも強固になる」のと同じ骨の性質を使った治療法です。自然治癒力を活発にさせ、治療を促進させるので歯根へのダメージが少ないと言えます。また、お客様にかかる負担も無理なく短期間で治療を終えることが出来ます。
マウスピース(インビザライン)を使用した目立ちにくい矯正
当院では、ブラケットを使用したワイヤー矯正のほかに、マウスピース矯正(インビザライン)を実施しております。マウスピース矯正は永久歯の生えそろった12歳以降の方であれば、何歳からでも行える矯正治療です。治療には以下のような特徴があります。
マウスピース矯正
(インビザライン)の特徴FEATURE
- 透明の樹脂でできているため、
目立ちにくい - 樹脂製なので金属アレルギーの方でも使用できる
- 装置が薄いので周囲に傷がつきにくい
- 取り外して歯磨きができるため、虫歯になりにくい
マウスピース矯正は歯並びや咬み合わせによっては難しい場合もございますので、まずは一度ご相談ください。
インプラント矯正について
インプラント矯正治療は、従来の治療法では困難であった症例や、治療期間が長くかかってしまうような症例に対して開発された治療方法です。
通常より強い力で複数の歯をまとめて矯正できるため、治療期間が短縮されます。一例として、歯を抜かなければ矯正ができなかった方でも歯を抜かずに並べることができる、今まで骨格の手術をしなければ治らなかった症例の一部が手術なしで治療が可能となることもあります。その他には、治療期間が半分になるケースもあります。
これまでの矯正治療は、固定源を強化するためにヘッドギアなどの頭から装置をかぶる方法が多く取られてきました。しかし、ヘッドギアを着けたまま外出しづらいなどの制限があり、患者様の協力次第で効果が出るというものでした。インプラント矯正は、小さなスクリューを歯茎に入れ、これを引っ張る土台(固定源)にして歯を動かします。今までの方法と違って、休みなく引っ張り続けるため、治療期間が短くなるほか、より確実で精度の高い治療結果を得ることができるようになりました。